インドネシア・アチェでパンクス31人が拘束され丸刈りに。立ち上がる若いパンクスたち

Evacuate - Aceh Calling
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先日ヒジャブを覆ったメタルバンドを紹介しましたが、同じインドネシアでショッキングなニュースが流れてきました。

【1月9日 AFP】インドネシア・アチェ(Aceh)州の州都バンダアチェ(Banda Aceh)で、パンクロックの愛好者31人が宗教警察に拘束された。
インドネシアは世界で最もパンクロック文化が活発な国の一つともされているが、同国で唯一シャリア(イスラム法)が適用されているアチェ州では、パンクロックは取り締まりの対象となっている。
http://www.afpbb.com/articles/-/3158018

インドネシアでパンク愛好家が宗教警察に拘束され、丸刈りにされたというニュース。

この21世紀に、自由に好きな音楽も聴けないなんて…
そして、スキンヘッドはパンクのファッションやで!なんてジョークで済ませられないのが当事者たち。自ら頭を刈るスキンヘッドと、罰として刈られるのは話が全く違います。

調べてみると、パンクスが拘束されたのはこれが初めてではない模様。
過去にも拘束されては、対する抗議デモが膨らみ、世界中から最も注目を集めるパンクシーンのひとつになっているよう。

舞台となるアチェ州バンダアチェは、インドネシアのスマトラ島最北部。
2004年のスマトラ大地震の後に、30m級の津波が押し寄せた場所だそうです。

インドネシアの中でも、最も敬虔なイスラム教徒が居住する地域と言われ、今回のように宗教警察が教育的指導を行うケースがあるよう。そんな地域にもかかわらず、アチェパンク(Aceh Punk)という言葉があるほど、パンクが盛り上がる地域のようです。

今回捕まったとされる31人とは別人かもしれませんが、実際のバンダアチェのパンクシーンと、それを取り締まる宗教警察の様子がドキュメンタリーで紹介されています。

貧困の差の激しい土地で、ストリートで自己表現する若いパンクスたちの声が寄せられます。

パンクス VS シャリーア(イスラム世界の法律) と題された次の動画では、逮捕や弾圧に抗議するパンクスのデモや集会の様子が紹介されています。

日本に住んでいると、どこか音楽的な側面ばかりに注目してしまう「パンク」ですが、こうもリアルでアイデンティティのために立ち上がる若いパンクスを見ると、忘れてかけていたパンクの初期衝動を思い出させます。

立ち向かう彼らの反骨精神が、さらにパンク魂を燃やしてくれることを期待します。


2012年にはインドネシアのバンドを多く収録した、3枚組のコンピレーションアルバム「PUNK AID」がリリースされているようです。

サポートしたい方はバンドキャンプでも音源を購入できます。

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